院長のコラム

“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録

第146回 「天空の城」竹田城跡(日本):日本のマチュピチュ その1

このブログを始めて6年目に入ったが、今回はじめて日本の景色を取り上げたいと思う。
最近、テレビCMなどで取り上げられ、「天空の城」、「日本のマチュピチュ」として注目されている「竹田城跡」。ペルーで4年間を過ごした自分としては、いったいどんなもん?と、実際に行ってみた。
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雲海に浮かぶ「天空の城」を見るには、その対岸にある「立雲峡」の展望台から見るのが一番いいらしい。
「雲海」はいつでも見られるというものではない、本来は9月から12月の気候条件がそろった時にのみ見ることができるそうだ。今回訪れたのは3月下旬、はたして見られるかどうか。。。
「立雲峡」の駐車場がまだ工事中であったため、麓から目的の「第一展望台」まで、1時間の山道を登る事になった。早朝のまだ薄暗い山道を息を切らせて登っていく。
途中にあった、愛宕神社の鳥居。
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疲れもピークに達した頃、前を行く人達から歓声が上がった。「雲海」だ!。第一展望台に着くと、眼前は「雲海」で埋め尽くされていた。
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この時期にこれだけの雲海が見れるのは、結構ラッキーらしい。
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「展望台」といっても何があるわけではなく、ただの「平坦な場所」だ。この時期の山の上は結構寒く、皆、防寒具を来ていてもぶるぶる震えながら、雲海が晴れていくのを待っている。熱い飲み物を持ってくれば良かったと後悔した。
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後から登ってくる人達も皆一様に歓声を上げる。でも、見えるのは「雲海」だけ。
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「雲海」が適度に晴れてきて、始めて天空の城が拝めるのだ。
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ちょうど自分の隣に、三脚にプロ仕様のカメラを構えるおじさんが居た。聞けば、ここの常連とのことで、「今日はチャンスがあるから粘ってみたら」と言ってくれた。
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少しずつ雲海が下がって来ては、また上がっていく。待てども待てども、雲海が晴れてくる気配がない。
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この状況で1時間半程度が過ぎた。大半の人達は、天空の城を見ることなく諦めて下山していった。
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最悪の場合、このまま雲海がスーッと消えてしまって、"終わり"らしいのだが、あと30分だけ粘ってみることにした。
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雲海が下がりだしては上がりを何度も繰り返すうちに、雲海の切れ目が深くなって来た。
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その瞬間に周囲からオーッ!という歓声が上がった。竹田城だ!雲海に浮かぶ竹田城、まさに天空の城だ。
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興奮してシャッターを切りまくったが、幻想的なショーはしばらくして終わり、
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気がつけば、雲海はどんどん低くなっていき、スーッと消えてしまった。
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晴れてしまうと、現実的な景色が現れた。夢から目が覚めた感じだ。
次回は望遠での「天空の城」を。

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