大阪 城東区の内科、循環器内科クリニック。循環器疾患、生活習慣病の管理、花粉症などアレルギー疾患、禁煙外来対応。
“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録
ポーランドの北東部にはマズーリ地方という美しい湖水地帯がある。夏にはたくさんの人が訪れるいわばリゾート地、湖や川でヨットやカヌーを楽しむ。
その中心都市のミコワイキ、夏には賑やかなこの街も冬はひっそりと静まる。
この時期にミコワイキに行くというとポーランド人は皆頭をかしげる。冬にここを訪れるポーランド人はあまりいない。では何を目的に行ったのか?理由は簡単、凍った湖を見てみたかったから。
湖はすべて真っ白に凍っていた。緑と青の夏とは対照的にモノトーンの世界になる。温水プールやサウナを備えたホテルは、意外にもロシア人やドイツ人の観光客で賑わっていた。物価が安いのでお手頃な冬の観光地なのだろう。
氷の上に人が立っている。冬の間、人々はワカサギ釣りや氷上のスポーツを楽しむようだ。
氷上ヨットとでも呼ぶのだろうか。
こういったすごいマシンまである。
このあたりは歴史的にドイツの影響が強い地域、レストランのメニューもポーランド語、ロシア語、ドイツ語で書かれていて、英語はない。この近くに「ヴォルフスシャンツェ(狼の巣)」と呼ばれる、ナチスドイツ、ヒトラーが造った大本営、秘密基地の残骸がある。ちなみに「狼」とはヒトラーのこと。
第二次大戦中、ヒトラーお気に入りの大本営だったようだ。トム・クルーズ主演の映画にもなった、ヒトラーの暗殺計画(ワルキューレ作戦)の舞台になった場所だ。
森の中にひっそりとその大本営は潜んでいた。
ドイツの敗戦が決定的となって、ほとんどの施設が証拠隠滅のために破壊された。今残っているのはコンクリートの残骸ばかり。
こんな場所を真冬に訪れる奴はほとんどいないのだろうが、ちゃんとガイドの人がいた。
電線や電話線がリアルに残っていて、そこが当時の最先端技術を駆使した秘密基地であったことがうかがえる。
冬の寂しさとこの残骸が妙にマッチしていた。
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