大阪 城東区の内科、循環器内科クリニック。循環器疾患、生活習慣病の管理、花粉症などアレルギー疾患、禁煙外来対応。
“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録
舞台はまた東ヨーロッパに戻って、自分が大好きな小国リトアニアをこれから数回にわたって紹介する。仕事、プライベートでかれこれ20回近く訪れた。リトアニアはポーランドの右上、バルト海に面したバルト三国の一つで、民主化されるまではソ連に組み込まれていた国だ。歴史上、ポーランドと一つの国になっていたこともあり、隣国ポーランドとの国民感情は複雑だ。
リトアニアはラトビア、エストニアとバルト海を面して並んでおり、これら三国をまとめてバルト三国と呼ばれるが、実際には言語も歴史的背景も全く異なり、あまり横のつながりはないように思える。
言語はリトアニア語で周囲の国々の言語とは語源から全く異なり、世界で300万人しか使用していない特殊な言葉だそうだ。ちなみに「ありがとう」は「アチュ」という。歴史の関係から、多くの人々がロシア語、ポーランド語を話せるのだが、自分たちからはあまり話そうとはしない。英語を話せる人はまだ少なく、自分は露店のおばちゃんとは片言のポーランド語でコミュニケーションを取っていた。
ポーランドからは当然、陸路で行くことも出来る。この料金所のようなところが国境だ。
リトアニアの首都、ヴィリニュスの朝の風景。旧ソ連の国々は建物などが無味乾燥で殺風景な街が多いのだが、この街はなんか洒落ている。
きれいな大聖堂
ヴィリニュスの旧市街はこじんまりとしているが、なかなか味のある街並みだ。
旧市街のゲディミナス通り、旧ソ連時代は数少ないウインドーショッピングのできる街並みと言われていたそうだ。
街のあちこちに路地があり、これが何ともいい雰囲気なのである。
こういった古い路地も多い。
これは夜明けの門。この中に木製のマリア像が祭られている。
地方からも、色んなお願い事にここへやって来るのだそうだ。涙を流しながら祈り続ける老人の姿が印象的であった。
この旧市街で自分の一番のお気に入りがこの聖アンナ教会だ。煉瓦造りのゴシック様式の教会で何とも美しい。
自分は建築物にはあまり興味はないのだが、この教会だけは別で、いつも写真を撮っていた。いわば魅せられてしまった教会だ。
魅せられてしまったのは自分だけではないようで、1812年、ロシアに侵攻したナポレオンがこの教会を見て、「フランスに持ち帰りたい」と語ったと言われているそうだ。
夜はライトアップされて、また別の顔を見せる。
夜もどことなく整然としているのが、逆に不思議な感じがする。
夜の聖アンナ教会ももちろんきれいだ。
リトアニアについて
リトアニアの国技はバスケットボールで、サッカー好きが多いヨーロッパでは珍しい。確かに背の高い人が多く、アメリカのNBAで活躍している選手も多いと聞く。
体格は大柄なのだが、この国の人々は非常に繊細で少しシャイ、日本人とどこか通じ合うところがある。
大国主義的な隣国ポーランドと小国リトアニア、その特徴はレストランなどで顕著に見られる。ポーランド人はあまり小さな事は気にしない。おおらかとも言えるし、繊細さに欠けるとも言える。そこそこのレストランでもスープが冷めて出てくることが何度もあったし(これは本当に)、食器がかけているなんて事はよくあった。一方のリトアニアは街中のカフェでさえ、ナイフとフォークの配置に非常に気を遣い、料理の盛りつけも実に繊細であった。大学の学食のマッシュポテトでも、フォークの先で波模様に飾り付けるといった具合だそうで、ホテルの朝の目玉焼きも、盛りつけにひと工夫されて出てきたのには本当に感心した。
美しい冬の景色はまた改めて。
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