院長のコラム | 2011年4月

“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録

第10回 サファリの楽しみ方6(ボツワナ・ジンバブエ・ザンビア):ヴィクトリアの滝と泳ぐ象

 サファリ編の最後として、少し変わったサファリを紹介する。場所はボツワナ、ジンバブエ、ザンビア。アフリカ南部の内陸国でイギリスの旧植民地だった国々だ。南アフリカからのアクセスが良く、陸路が特に発達している。
 このあたりの観光名所といえば、やはりヴィクトリアの滝だ。ジンバブエとザンビアの国境にある滝で、ザンベジ川の途中に位置する。南米のイグアス、北米のナイアガラに並んで世界三大瀑布の一つに数えられる。
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 何を隠そう、昨年、乗り継ぎで立ち寄ったカナダのトロント空港から、レンタカーを借りて駆け足でナイアガラの滝を見学し、やっと世界三大瀑布を制覇した。では、どこが一番スゴいのか?こういった比較は愚の骨頂とわかってはいるのだが、敢えて比較してみたい。とにかく、ヴィクトリア、イグアスとナイアガラを同列で語るにはあまりにも無理がある。はっきり言ってナイアガラがしょぼすぎる。というか、ヴィクトリアとイグアスが凄すぎる。では、ヴィクトリアとイグアスでは?というと、非常に難しい。正確な数字は知らないが、規模、豪快さという意味ではビクトリアの方が凄いかもしれない。ただし、滝を見て楽しむアトラクションという意味においてはイグアスが断然上であろう。以下の写真がそれを物語っている。
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 本当に凄い景色なのに、その凄さを表現できる写真が撮れないのである。
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 もちろん写真の技術が悪いのではあるが、見所を考えて施設を工夫してあるイグアスに比べ、そういったいい写真が撮れるような場所があまりないのだ。ただ、ただ、滝の豪快さに圧倒されるばかりなのだ。
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 ザンビア側へは歩いて渡る。国境には橋が架かっていて、バンジージャンプをやっていた。
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 なんとものんびりしたザンビア側の看板。
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 この周辺でもちょっとしたサファリが楽しめる。これは象に乗ってサファリを楽しむエレファントサファリというもので、上から見下ろせるので、これもまた面白い。ただし、象がのしのし歩いているところに、肉食獣が寄ってくるはずもなく、見られる動物は一般的な草食動物だ。
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 ボツワナにあるチョベ国立公園に足をのばした。
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 象で有名なサファリだ。ザンビアに勤務されていた先輩からは、佃煮状態の象が見られる聞いていたのだが、少し時期が悪かったようで、そこまでたくさんの象と出会うことは出来なかった。しかし、スゴい光景と出会ってしまった。!!
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 この国立公園はチョベ川の沿岸に位置し、川の向こう岸はナミビアである。遠くに立ち上る煙は、ビクトリアの滝の水煙だ。
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 ここでは船から動物を観察するボートサファリを楽しんだ。カバもたくさん見ることが出来る。
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 これが偶然に遭遇した凄い光景だ。なにげに川辺で水浴びをする象たちであった。するとどんどん川に入っていく。
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 初めは川が浅いのかと思っていたが、結構深いとのことで、象が泳いでいることがわかった。象は泳ぐのだ!!無事に対岸のナミビアまで国境を越えていった。

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第11回 アフリカ大陸の果て(南アフリカ):喜望峰

 昨年のFIFAワールドカップで、治安の悪さばかりが強調され気味であった南アフリカだが、アフリカにあって非常にヨーロッパ的で美しい国でもある。アフリカの都市からヨハネスブルグの空港に降り立った瞬間、今まで見てきたアフリカとは何か明らかに異なり、ヨーロッパの空港を彷彿とさせる近代的な雰囲気を感じた。文化としては、ここは白人が作り上げたアフリカの中のヨーロッパなのだ。ここから国内線に乗り継いで、ケープタウンに向かった。
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 ケープタウンの街は海に面し、すぐ後ろにはテーブルマウンテンといわれる平たい山が迫っていて、非常に風光明媚な都市である。この街を起点に、有名な南アフリカワインの酒蔵巡りや喜望峰、ボルダーズビーチのペンギンやドイカー島のアザラシ見学を楽しむことが出来る。
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 ウオータフロントとよ呼ばれる海に面したエリアは、観光客向けに非常に整備されており、たくさんの警官が配備されていて、夜でも安心して出歩くことが出来る。地中海沿岸の観光地の雰囲気で、ここがアフリカであることを忘れてしまう。
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 ケーブルカーでテーブルマウンテンに昇るとケープタウンの街、ケープ半島を一望することが出来る。
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 遠くは喜望峰まで見ることが出来る。
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 これは「ダシー」(DASSIE)と呼ばれるハイラックス(イワダヌキ)の一種で、人懐っこく近づいてくる。
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 ケープタウンから南へ50キロ南下したところに喜望峰がある。ここが、あのヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見で有名な喜望峰である。ここまでやって来たかと感無量になる。アフリカ最南端といいたいところではあるが、正確には最南端ではない。
 ここで素朴な疑問が。。。喜望峰は英語では「CAPE OF GOOD HOPE」と書かれている。そのまま訳すと「希望峰」のはずだが、なんで「喜望峰」なのだろうか??
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 喜望峰の全景は当然喜望峰からは見ることが出来ない、少し離れたケープポイントというところから、岬としての喜望峰を見ることが出来る。
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 帰路にボルダーズビーチのペンギン繁殖地を訪れた。ペンギンを保護しながら、且つうまく見学できるように施設も良く工夫されている。
 アフリカ大陸の(一応)南端征服完了!!でも、南米大陸最南端に比べて、アフリカ大陸の南端へは結構楽に行くことが出来た。気候も穏やかで、街から車で1時間程度と近く、ここが南の果てという感じがあまりしない。ちなみに南米大陸最南端の街ウシュアイアには「世界の果て」という表現がよく使われ、実際にそんな感じがした。世界地図でその緯度の違いを見て驚いた。喜望峰とウシュアイアとは緯度で20度も差がある。南米大陸の方がかなり南に長く、南極に近いことがわかった。やはり地球はでかい。

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第12回 サファリへの行き方

 アフリカのサファリへ一度は行ってみたいと思ってる方々も多いと思うが、かなり遠いというイメージが先行するのではないだろうか。自分も日本へ帰国してからは、長期休暇とは縁遠くなってしまったが、いつか必ずもう一度、あの美しい空と空気を吸いにサファリに行きたいと思っている。
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 では、サファリにはどうやって行けばよいのか、社会人が何日休みを取れば旅行できるのかを、日本を起点に考えてみたい。
ケニアのナイロビまで、一昔前までは乗り継ぎの悪い南回りか、ヨーロッパの都市を経由しての長いフライトでしかアクセスできなかったのであるが、エミレーツ航空など中東系航空会社の南回りが充実してからはかなり便利になり、7〜8日の休みが取れればケニアでサファリを楽しむことが可能になった。特に関空からは、値段、質共にエミレーツ航空が非常に便利でお勧めである。その他の中東系やシンガポール、香港などアジアの都市を経由する方法もある。
 エミレーツ航空を例に取ると、関空を夜に出発してドバイ経由で翌日の午後にはナイロビ着、帰りは夕刻にナイロビを出発すれば翌日の夕方には関空へ帰着する。金曜日フルに仕事してから出発し、土曜午後にナイロビ着、翌日から4泊5日のサファリツアーに出かけ木曜午前にナイロビに帰着、ナイロビに1泊しておみやげ買って、金曜夕方にナイロビを出発。乗り継ぎのドバイ空港で買い物をして土曜夕刻に関空着。1週間の休みで、比較的余裕を持ってサファリを満喫できる。ちなみにサファリのゲームドライブは、朝夕に4WDでサバンナを駆けめぐるので結構疲れる。4泊5日ぐらいがちょうどいいのかもしれない。
 往復の航空券は自分で予約しても、サファリツアーは現地の代理店にアレンジをお願いするのがベスト、日本人が経営されている代理店も複数ある。
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 ここで一つ大事なことを助言すると、こういった途上国でサファリなど特別な旅行をするときは、現地ツアー(宿泊施設)の値段をあまりケチらないこと。上級クラスでも色々トラブルが出て当然のような所だし、せっかくのサファリが型通りの安物サファリではもったいない。是非サファリの内容は良く検討し、ここにはお金を使って欲しい。
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 最後に大事な注意事項。どんな予防接種が必要か?
基本的な事項として、破傷風、A型肝炎、B型肝炎の予防接種は途上国を旅行するのであれば、必要最小限として必要。
イエローカード(黄熱病ワクチン接種証明書)は日本からドバイ経由なら必要ないのであるが、経由地によっては必要になることがある。この問題は医学的な意味よりも、その国の検疫行政の事情によってころころ状況が変わり、必要と言われてせっかく準備しても、何にもチェックされなかったり、逆に運悪くトラブルの原因になってしまったりする。航空会社のカウンターでチェックインの際に提示を求められてトラブルになるケースもある。
イエローカードは10年間有効なものなので、無用なトラブルを避ける意味でも準備しておく方がベターと思われる。ただし、この黄熱病ワクチンは肝炎ワクチンなどと異なり生ワクチンなので、接種7〜10日後に身体のだるさや発熱を認めることが結構ある。また、検疫所など決まった場所でしか接種できず、予約が必要なので、出来るだけ早い時期に接種しておくことが勧められる。
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 今回で一旦アフリカ編を終える。次回からは舞台をヨーロッパへ移し、ポーランドの美しい四季の景色とヨーロッパの穴場を紹介していきたい。

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